「SCORモデル」を使ってサプライチェーンを考える (1/5) – @IT MONOist

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グローバルサプライチェーンを運営していく上で“世界共通言語”とも見られている「APICS」を専門家が解説していく本連載。3回目は、SCMに関するグローバルスタンダードのプロセス参照モデル「SCORモデル」について紹介する。

第1回「「グローバル最適地生産」実現に不可欠な“標準化”と“共通言語”

第2回「商習慣の違いを乗り越え、サプライチェーンを最適化する“ものさし”

サプライチェーンマネジメント(SCM)の難しさ

 「サプライチェーン」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。生産管理や在庫管理などと比べてサプライチェーンは人それぞれが思い浮かべる内容にバラツキが大きいことが特徴であるといえる。その主な理由を以下に3つ挙げてみる。

  1. サプライチェーンは広範囲に渡る
    自社からみた調達サイドであるサプライヤーのサプライヤー、販売サイドである顧客の顧客、とサプライチェーンのEnd-to-Endは広範囲に広がるが、実際にどこからどこまでを捉えるか一意に決まるものではない。
  2. 実際のサプライチェーンは全体を一目で見渡せない
    広範囲に及ぶサプライチェーンは、一目でその全体を認識できるものではない。グローバルサプライチェーンの時代、一人の人間が実際に見ることができる範囲には限界がある。
  3. サプライチェーンに必要な機能はさまざま
    サプライチェーンを流れるモノに着目すると、調達、生産、出荷などの機能が見えてくる。また、それらを実行するためには計画や管理の機能が必要である。そして業務を遂行する上でさまざまな基盤業務機能がある。

 このように、どの立ち位置からサプライチェーンを眺めるかでその見え方は異なる。そのため、たとえ同じサプライチェーンについて考えたとしても、人それぞれ思い浮かべる内容は異なってしまうのである。これがサプライチェーンをマネジメントする“サプライチェーンマネジメント(SCM)”の難しさにつながっている。

まずは共通認識を作ることが重要

 サプライチェーンはクロスファンクショナルなプロセスであるため、その戦略策定から運用まで、さまざまな部門の人たちが関わっている。実際に日々の運用では部門間でのやりとりが行われ、SCMのプロジェクトでは組織横断のプロジェクトチーム体制が組まれることが通常である。

 そのような状況の中、クロスファンクショナルなメンバーたちが、いかに同じ目線で同じ目的に向かって、考え行動することができるかがSCMの質を左右する。これには共通認識度合いが大きく関係する。

共通認識の形成にSCORモデルを使う

 同じサプライチェーン内でさまざまな機能を担っている人たちが、そのサプライチェーンについて共通認識を持つことができる便利なツールがある。それがAPICS SCCが提供する「SCOR(Supply Chain Operations Reference)モデル」である。

 SCORを使って、クロスファンクショナルなメンバーが一緒にサプライチェーンのEnd-to-Endを描いてみる。その過程において、それぞれの業務はどのように行われていて、「そこでの重要なポイントが何か」「プロセスのつながりとそのボトルネックは何か」「さらに上手くつなぐには何が必要か」といった事を共通認識することができるのである。それにより、サプライチェーン全体を俯瞰した上で、各自が前後工程の業務を理解できるため、SCMの質が格段に上がるのである。


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