「賞味期限」に追われる巨大IT企業の宿命 – 日本経済新聞

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VentureBeat

 IT(情報技術)業界に異変を感じるなら、実態はかなり進行しつつある。

 IT各社はもはや技術の飛躍的進歩やしっかりした特許ポートフォリオ、一つの主な収益源には頼れない。各社は未来を支配しなくてはならない。われわれの心を捉え、信頼を勝ち取り、自社に注意を引き付けておかなくてはならない。大きな規模や、手広い事業展開も必要だ。成功した企業の価値はすぐに数兆ドル相当になり、実際には何を手掛けているのかもはや分からない。これが新たな巨大イノベーション企業だ。

■めまぐるしく変わるユーザーの興味

代表的な新巨大IT企業の経営者(C)Aaron Cohen
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代表的な新巨大IT企業の経営者(C)Aaron Cohen

 しかも、こうした企業は極めて強力な広報部門を持つ。

 米グーグルは5年間にわたり自動運転車の分野で高い認知度を誇っていたが、今やこの地位を保つのに必死だ。米配車アプリ大手のウーバーテクノロジーズや、米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズ、それ以外の自動車メーカー各社が自社の構想やイノベーションを掲げ、PR攻勢を仕掛けているからだ。

 仮想現実(VR)と拡張現実(AR)は全米で多くの見出しを飾っている。2014~15年には米フェイスブックによる米オキュラスVRの買収が大きく報道されたが、現在の開発ペースや、スマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が巻き起こした思いがけないフィーバーのせいで、今や話題にも上りにくくなっている。

 大手IT各社は人工知能(AI)に関する話題で優位に立とうとしているが、消費者に認められた明らかな勝者はいないようだ。初期のクラウドコンピューティングと同様に、各社はしのぎを削っている。

 テクノロジーは再び大きな進展期に入ったが、米(大統領)選挙の結果や米経済の状況によっては、今後3年間でM&A(合併・買収)がますます大型化するだろう。今後数年はAIが注目すべき話題になると期待している。

■積極的な情報発信が重要

 各社はミスを恐れてはならないが、正しい行動も必要だ。ノイズをかわせるのは自分の言葉を持つ企業だ。イノベーションやメッセージを発信することで、会社の意図が伝わるからだ。

 では、現在のプレーヤーはどの企業だろうか。グーグルや米アマゾン・ドット・コム、フェイスブックは好位置につけており、それぞれが確固たるエコシステム(生態系)、忠実な顧客とパートナー、強力なブランドを持っている。極めて力強い文化もあり、イノベーションに携わり、推進してくれる創業経営者もいる。米マイクロソフト、米インテル、そしてすぐに米アップルも追い上げてくるだろう。もっとも、これらの企業は創業経営者によるメリットはない。ビジョンを持つ創業者という点では、テスラのイーロン・マスク氏や、ウーバーの新進気鋭のトラビス・カラニック氏が新たな創造的破壊者、さらには発信者として大化けする可能性がある。

 イノベーション、M&A、創造的破壊は次の段階に移ろうとしている。これまで聞いたこともない新たなプレーヤーが登場するだろう。IT業界にも米日用品・医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンや、米外食大手ヤム・ブランズのような巨大企業が現れるかもしれない。おなじみの存在は、グーグルの持ち株会社アルファベットだろうか。ドローン(小型無人機)のような形をした、明るく輝くモノも間もなく登場するだろう。クリエーターには美しく思えても、消費者の評判は芳しくないかもしれない。それは不気味で、思いもよらぬモノだろう。今後2年間で、2000年代はAMラジオのように思えるようになる。

By Aaron Cohen(広報のエキスパート。米コーエン・コミュニケーションズ・アンド・ブランド・エージェンシー創業者)

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)






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