オペレーションを再考せよ – ダイヤモンド・オンライン

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安井 正樹(やすい まさき)

PwCコンサルティング合同会社 パートナー、オペレーション・SCM・CRMリーダー

製造業を中心とした幅広い業種に対し、サプライチェーンマネジメント関連のサービスを提供。特に食品業界でのプロジェクト経験が豊富。グローバルSCMの構築、在庫削減、物流コスト削減等のプロジェクトに数多く携わる。サプライチェーンマネージメント、ITに関する執筆/寄稿多数

 皆さんがどのような業界にいようとも、戦略を遂行することは難しくなっていることを実感しているのではないだろうか。IoT、AI等技術の進歩は私たちの価値観を変え、顧客の価値観もまた著しく進化している。競争相手は全く新しい事業モデルを構築し、挑戦してくる。これまでの常識が変わっているのだ。これはリーダーシップを担うすべての人に共通する課題ではなかろうか。

 このような状況下において、オペレーションは現状を打破する鍵となるかもしれない。

 私たちは、企業が競争に勝つために、どのように日々のオペレーションをデザインし、実行しているのかを調査し、2016年3月に「PwC 2015年グローバルオペレーションズ調査:Reimagining Operations」として、結果を公表した。1200人以上のCOOとオペレーションのエグゼクティブに対してアンケートを実施し、この改革の実態に迫っている。今回はこのレポートを要約しながら、先進企業の行動について考察していく。

「顧客にとっての価値」から

オペレーションを設計する

 顧客行動の変化に影響を受けない部門は存在しない。私たちの調査結果によればオペレーションリーダーの実に6割が、今後5年の間に顧客の行動の変化が業界に大きな影響を与えると考えている。またほぼ同じ割合の人が、「顧客にとっての価値」を理解することが既にオペレーションの課題になっていると答えている。一方で、3年後に顧客にとって価値ある、特別な経験を提供するオペレーションを有している自信がある人はわずかだった(左図)

 日本においてもEC業界における短リードタイム競争、オムニチャネルの爆発的な普及と、顧客要求/顧客行動の変化は枚挙にいとまがない。より短い納品時間、より正確な納期回答、より高いサービスレベル。顧客からの要求は日々高度化している。

 これらの変化の中から「顧客にとっての価値」を再考してみる。それを起点にオペレーションを設計すると、業務効率が向上する場合が多い。なぜならば対応するべき変化に対して、適切なトレードオフを見極め、優先順位をつけ、速やかに決断することができるからだ。

 たとえば、エネルギーマネージメント分野における大手であるシュナイダーエレクトリック社では、顧客の購買行動に影響を与える5つの大きなパターンがあることに気づき、これに基づいて4万5000のサプライヤーと9万人の従業員からなる、工場、物流センター、ロジスティックスネットワークを含めたサプライチェーンを再構築した。

 イノベーションを起こそうとした時に、オペレーションが足かせになる場合がある。コスト削減の壁に阻まれたり、事態がより複雑になることが多い。「顧客にとっての価値」を改めて理解し、オペレーションを再考すること、顧客の変化に常についていくことが求められている。




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