CO2排出量ゼロの電力に高い価値、2017年度から新市場で取引開始 (1/2) – ITmedia

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電力システムの改革に向けて2020年度までに新設する4つの市場のうち、「非化石価値取引市場」が最も早く始まる。再生可能エネルギーや原子力で作った電力を対象に、CO2を排出しない価値を証書で取引できる市場だ。2017年度に開設して、固定価格買取制度の電力から取引を開始する。





第81回:「安い電力を売買するベースロード電源市場、原子力を拡大する施策にも」

 ようやく日本でも地球温暖化対策を推進する体制づくりが活発に動き出した。政府が2020年度の発送電分離(電力会社の送配電部門の中立化)に向けて整備する新市場の1つに「非化石価値取引市場」がある。化石燃料を使わずにCO2(二酸化炭素)を排出しない方法で作った「非化石電気」が対象で、再生可能エネルギーと原子力が含まれる。

 現在の卸電力取引所では「化石電気」と「非化石電気」を区別なく売買している。今後はCO2を排出しない「非化石電気」を新しい市場で売買できるため、発電事業者と小売電気事業者がCO2排出量の削減に取り組みやすくなる。ただし電力そのものは従来の市場で売買する方法に変わりはない。排出量ゼロの価値を「非化石証書」に換えて新市場で取り引きする(図1)。

図1 「非化石電気」の新しい取引イメージ。出典:資源エネルギー庁

 小売電気事業者は需要家に販売する電力のCO2排出量を算定する時に「非化石証書」を使える。証書に記載された電力量に対してCO2排出量をゼロで計算できる仕組みだ。小売電気事業者は2030年度までに電力1kWh(キロワット時)あたりのCO2排出量を0.37キログラム以下に抑えることが法律(エネルギー供給構造高度化法)で求められている。

 火力発電のCO2排出係数は0.5キログラム/kWh以上になるため、CO2を排出しない再生可能エネルギーか原子力の電力を調達して排出係数を引き下げなくてはならない。市場を通じて「非化石証書」を購入すれば、実際に「非化石電気」を調達しなくてもCO2排出量を削減できる。

 政府の原案では「非化石証書」を2種類に分ける方針だ。1つは再生可能エネルギー由来の電力であることを示した証書、もう1つは発電した電源の種類を指定しない証書である(図2)。指定なしの証書の大半は原子力が占める。どちらの電力も化石燃料を使わない発電方法で、CO2を排出しない「ゼロエミッション価値」がある。

図2 「非化石証書」のメニューと保有する価値。FIT:固定価格買取制度。出典:資源エネルギー庁

 再生可能エネルギー由来の証書を購入した場合だけのメリットもある。小売電気事業者はウェブサイトなどで開示する電源構成のグラフや表に加えて、「実質再エネ100%」といった表現で「非化石電気」の価値を説明できることだ(図3)。CO2排出係数の低さと同時に、再生可能エネルギーの価値を多く含む電力を訴求できる。

図3 小売電気事業者の電源構成の表示例。出典:資源エネルギー庁

 「非化石価値取引市場」は2017年度内に開設する予定だ。当初は固定価格買取制度(FIT)の対象になる「FIT電気」だけを取り扱う。そのほかの再生可能エネルギーと原子力による電力の「非化石価値」は2019年度から取引を開始する。


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