サイバーエージェントのブランド広告主向け専門組織、設立の狙いと動画広告への向き合い [インタビュー] – Exchangewire Japan

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サイバーエージェントは、昨年5月、ブランド領域に特化した戦略を立案・推進する専門組織「次世代ブランド戦略室」を設立した。

サイバーエージェントグループ動画広告ビジネス横断組織キーパーソンへの取材第4弾は、その設立の経緯や組織として目指す姿、グループ内での役割などについて、株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括 兼 次世代ブランド戦略室長の坂井嘉裕氏にお話をうかがった。

(聞き手:ExchangeWire Japan 山本 聖香)

グループ初のブランド領域特化型組織

― はじめに、設立の経緯をお聞かせください。

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「次世代ブランド戦略室」は、当社インターネット広告事業本部の中で、ブランド領域に特化した組織として初めて、2016年5月から正式にスタートしました。

元々、サイバーエージェントはインターネットに軸足を置いた事業を展開していたので、インターネットでビジネスが完結するお客様が多いのです。そこで、ダイレクトレスポンスマーケティングを主体にして、事業を推進してきました。一方で、マスメディアの効果の減退に関する声を耳にする様になり、もっとターゲットに効果的に届けたいというニーズが高まっています。そういった中で、ナショナルブランドから課題提起されるケースも増えてきました。

スマートフォンが普及して、「1to1」でメッセージを届けられるようになっています。それに伴うメディアの発達、あるいはリッチでブランド広告主様のクオリティに合う出稿ができるメディアや広告フォーマット等々が整ってきたという環境の変化もみられます。その代表格が「動画広告」であると言えます。事業機会を見出す中で、次なる成長フェーズをブランド領域と位置付け、スタートしました。

広告事業において、以前からブランド領域に対するチャレンジをしてきましたが、強固なサービスの開発や人材、インフラについても集約し、強化することを目的に設立されました。

― グループの中では、どのような役割を担っているのでしょうか。

当事業部において、動画の売上比率は、飛躍的に高まっています。ただ、私達はあくまで代理店事業を主体としており、お客様の課題解決ができる、より良い手法や戦略を練りプランニングを行い、アウトプットをしていくのが仕事です。あくまで、お客様の課題解決として、ソリューションを展開してゆくことがミッションです。

― 組織の規模についてお聞かせください。

次世代ブランド戦略室には、営業、ストラテジー、メディアプランニング、データコンサルティング、リサーチ、商品開発(R&D)、アドテクノロジー、ブランドクリエイティブなどのセクションがあり、合わせて100人弱が所属しています。
サービスの中心となる広告運用における、運用やレポートを提供するサービスは、当社100%子会社のシーエー・アドバンスと連携して行っています。シーエー・アドバンスは東京、沖縄、仙台、ベトナムに拠点を構える、700名以上の組織です。そこにもブランド広告主様向けの専門チームを作っているところで、先々の関心の高まりも想定し、ブランド広告主様ならではの固有のニーズにも積極的に対応していきたいと想います。

― グループ内での立ち位置はどのようなものになるのでしょうか。

グループ内で広告代理事業を営んでいる事業体は、インターネット広告事業本部・CyberZ・CyberBullの3社になります。時に競合をする事もありながら、時に協業するという、サイバーエージェントらしい関係で、切磋琢磨しています。顧客ソースはこれらに集中させ、それらをバックアップする形で、アドテク本部や渋谷クリップクリエイト、MOZZTOKYOといった、商品開発やソリューション提供を行う子会社が独立して存在しています。

次世代ブランド戦略室における2つのミッション

インターネット広告事業本部における、次世代ブランド戦略室の組織のミッションは、大きく2つの軸から成り立っています。
ひとつは、ナショナルクライアント様を中心とした、ブランド広告主様の獲得です。次世代ブランド戦略室が直接担当をしております。
もうひとつは、次世代ブランド戦略室以外の営業局が担当する、広告主様における、ブランド宣伝予算の獲得です。ダイレクトレスポンスマーケティングを中心に広告出稿をされる広告主様においても、ブランド広告に高い関心を寄せています。
このように、部門横断型でもブランド宣伝予算に注力をしていくための舵取りも行っています。

― 動画広告では、どのように勝っていこうと思っていらっしゃるのでしょうか。貴社の強みについても、お聞かせ下さい。

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広告主様からの動画広告のニーズが高まる中で、各メディアへの動画出稿の推移を見ると、ブランド広告主様が、積極的に投資を拡大していることがわかります。特に自動車、消費財、携帯キャリア、化粧品などの分野が顕著です。今後、広告の出稿目的に応じてプランニングは変わっていきますし、運用もレポーティング内容も変わってゆくでしょう。

広告出稿の目的は、効果的にリーチを獲得していくために、インターネットシフトにより動画広告を活用するケースが多くなっていますが、認知・購買意向などの態度変容や、今後は実店舗への来店を上げるために動画広告を活用するなど、多様化していきます。

当社が提供を行う、ブランド広告企業向け広告配信サービス「CA本部DSP」は、ブランドリフトに繋がりやすいメディア・面・枠に優先的に広告配信する独自のソリューションなのですが、動画フォーマットを中心に配信が行われています。多様化という観点で云えば、業界だけでなく、業種・商材・プロダクトライフサイクルなど、広告主様固有の傾向が在る事が分かってきました。

ネット上の在庫(インベントリ)を考慮すると、まだまだネットへの投資余地は残されていますし、ユーザーもそこで時間を過ごしています。効果的である限りは、今後も拡大が続くものと考えています。まだ黎明期ですので、本質的なマーケティングができるようにサービスを磨いていきたいと考えています。

大切なのはメディアの特徴だけでなく、本質的なアルゴリズムを解明して理解することです。その上で提案が「絵に描いた餅」にならずに、しっかりとした広告運用やレポーティングが行われ、PDCAサイクルが実現できること、それが代理店の「実行力」に差が出てくるポイントだといえます。

その上で、今後は、ブランド広告主様に合わせた「サービス」を社内で定義し、創っていく必要も出てくるでしょう。自分たちが理想と思えるサービスを生み出し形にしていくのは、ベンチャーとしての我々の強みが生きるところだと思っていますので、スピーディーにどんどん必要な意思決定をし、進めていきたいです。

「もっとインターネット広告を使っていただきたい」

― 今後の目標についてもお聞かせ下さい。

写真:3インターネットシフトをもっと加速させていけるよう、業界全体に働きかけていきたいと思っています。ブランド広告主様においては、広告費に占めるデジタルの割合がまだ少ないお客様も多いので、インターネットの広告費シェアを引き上げるべく、可能性を感じて頂けるよう提案活動を行っていきます。

具体的に、当事業部内で大きな目標を掲げています。そこでのブランド広告の売上高シェアは高い比率を誇っていると、期待しています。広告主様、パートナー企業の皆様と一緒に市場を創り、Win-Winの関係を築けることを目指します。
乗り越えるべき壁は沢山ありますが、広告主様においてインターネット広告が、メディアの中心として位置付けられるほどの、事業貢献と消費者を動かすプランニングをいかに実現できるか、ということです。成功事例が増えれば、チャレンジしてみようというクライアント様が一層増えてくる事と想います。
もちろん、外的要因もあります。たとえばAbemaTVの様な新しいメディアの出現は、消費者行動を大きく変えていく機会になります。広告価値の変容が起こって行きますし、チャンスも広がります。インターネットを軸に、本質的な課題解決に繋げていきたい我々の背中を大きく後押ししてくれる要素だとも思います。

― 最後に、サイバーエージェントグループとしての連携についても教えていただけますか。

サイバーエージェントグループの中で、動画広告の売上高シェアの多くをインターネット広告事業本部で担っていくことになります。その中には、例えば、アプリのダウンロードを目的とした、CPI指標のダイレクトレスポンス目的で動画広告を出稿するものも含まれます。そういった市場もこれから伸びると思いますが、ブランド領域で出稿する動画広告が、全体の底上げを実現できるかというのが、動画広告の成長を加速する上でキーポイントになっていきます。グループ間の連携を強固なものにし、市場に提案をしていきたいと想います。






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