東芝、東芝機械株を売却 生き残りへ最大152億円 – 日本経済新聞

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 東芝は2日、20%超を出資する持ち分法適用会社の東芝機械の株式を売却すると発表した。東芝は原子力発電事業の巨額損失で揺らいだ財務の立て直しのため、事業や関連企業の保有株の売却を急いでいる。東芝機械は1938年に芝浦製作所(現・東芝)が出資・設立した老舗のグループ企業だったが、経営問題をきっかけに生き残りを優先して資本関係を見直さざるをえなくなった。

 3日の取引開始前に東芝機械が東京証券取引所の立会外取引を通じて自社株買いを実施し、東芝が売却する自社の株式を買い受ける。売却するのは保有する3354万株超(発行済み株式総数の20.1%)のうち、3020万株(同18.1%)。東芝機械による買い付け価格は1株あたり506円で、東芝が応募する株式すべてを売却できた場合、152億円強を受け取る見通し。

 東芝機械の2016年3月期の連結業績は売上高が1172億円、経常利益が49億円で、従業員数は約3300人。同社は1980年代、当時共産圏であったソビエト連邦に工作機械などを不正に輸出し、対共産圏輸出統制委員会(ココム)の規制に違反した「東芝機械ココム事件」で世間を騒がせたことでも知られる。同社が輸出した機械がソ連原潜のスクリュー加工に使われ、西側の安全保障を脅かしたとして、米国が激しく非難したことで日米間の政治問題に発展。親会社である東芝の経営を揺るがす事態となった。事件が発覚した1987年、東芝の会長だった佐波正一氏らは「西側の安全保障に重大な脅威を与えた道義的責任」をとって辞任した。

 東芝は巨額損失の計上で2016年12月末時点で1912億円の債務超過に陥った。事業売却などを進めなければ3月末も債務超過が続く見通し。金融機関などからの支援を取り付け、上場を維持するためにグループ会社や事業の売却による資本拡充が急務になっている。

 現在、事業価値1.5兆円とされる半導体メモリー事業の売却を模索しているが、そのほかにも「収益力や財務基盤の強化を進めるため、資産の保有意義の見直しを進めている」(同社)という。2016年に医療機器子会社や白物家電事業を売却したほか、巨額損失が明らかになった昨年末以降にも石炭火力事業や医療関連のリース会社などの売却を相次ぎ決定した。

 巨額損失が明らかになった昨年12月下旬以降、東芝が子会社などの売却に動くとの見方から、東京証券取引所に上場するグループ企業の株価は軒並み上昇している。東芝機械の株価は2日時点で、12月下旬と比べて1割弱上昇。東芝が50%を出資する東芝テックや東芝テック傘下の国際チャートなども1~2割上昇している。

(富田美緒)






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