三井住友FGの系列地銀売却は、「メガバンク再編の嵐」の前兆か – 現代ビジネス

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三井住友FGの系列地銀売却は、「メガバンク再編の嵐」の前兆か
台風の目になるのはこの銀行

これが銀行再編の構図

関西アーバン、みなと、近畿大阪の3地方銀行が来年4月をめどに、資本の壁を乗り超えて経営統合することになった。3行合計の総資産額は昨年9月末時点で11.4兆円に達しており、関西地区でトップ(全国6位)の巨大な地域銀行(地方銀行+第二地方銀行)が誕生することになる。

規模以上に興味深いのは、再編劇の影の主役が三井住友フィナンシャルグループ(FG)という点にある。

国際業務の拡大を目指す同FGは、自己資本比率の向上を迫る国際金融規制の見直しに備えて、自己資本比率が相対的に低い関西アーバン、みなと両行を連結対象から外すため、事実上、両行を売却する方針に転じた。

遅ればせながら、この日本の銀行には珍しい「選択と集中」に乗じ、地域密着で中小企業との伝統的な取引拡大を目指す、りそなホールディングス(HD、みなと銀行の親会社)が2行の獲得に踏み切ったのが、再編の構図なのだ。

メガバンク主導の地域銀行の再編として、今回の経営統合は、三菱東京フィナンシャルグループ(FG)傘下の中京銀行や、みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下の千葉興業銀行が新たな再編の中核になる可能性を示したと言える。

人口の減少、成長の鈍化、地方の空洞化、金融庁の再編圧力、そして日銀のマイナス金利政策……。メガバンクのお家の事情以外にも、銀行に再編を迫る要因は枚挙に暇がない。

かつての都市銀行や第2地方銀行(旧相互銀行)に比べると遅れていた地方銀行の統合はもちろん、メガバンク同士の合従連衡にも飛び火しかねない。そんな再編の嵐が日本にも近付いているのかもしれない。

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関西アーバンとみなとを手放したい理由

先週金曜日(3日)、今回の統合に関係する5行の首脳が一堂に会して大阪市内で開いた記者会見で発表した基本合意(http://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/hd_c/20170303_1a.html)によると、統合する3社株を保有する予定の中間持ち株会社株について、「りそなHDが議決権の過半数を有し、連結子会社とする」一方で、三井住友FGは「持分法適用会社」にとどめる計画だ。

つまり、現在、関西アーバンとみなとを傘下に持つ三井住友FGからすれば、この再編は2行の経営権を譲渡(売却)することに他ならない。

その理由を問われた三井住友銀行の国部毅頭取は、「国際金融規制の強化が我々の決断に影響したのは事実だ。規制がこれほど厳しくなかったら、ひょっとしたら動かなかったかもしれない」と述べたうえで、「みなと銀や関西アーバン銀は新しい統合グループに入った方が大きく成長できると判断した」と胸の内を明かした。

当面は、持分法適用会社(としての2行)へのサポートを続けるとコミットしたものの、それほど遠くない将来にすべての持ち分を手放して、回収した資本を自行が成長分野と見込む国際分野へ振り向ける可能性は高そうだ。

金融庁を含む世界の金融当局がメンバーになっている「バーゼル銀行監督委員会」は、今月2日の会合で、リーマンショック以来の流れとなっている、国際的に業務展開をする主要30銀行に対する資本規制「バーゼル3」の最終決定を前回に続いて再延期した。

トランプ米大統領が行き過ぎた米国内の金融規制に待ったをかける大統領令に署名したことなどが、再延期の原因として取り沙汰されている。

しかし、1990年代の日本の不良債権処理、リーマンショック、欧州金融危機といった金融危機が起きるたびに、「大き過ぎて潰せない」との理由から、庶民の血税を投入して巨大銀行を救済してきたことに対する批判は、世界の大衆の声だ。

転ばぬ先の杖として、巨大銀行にこれまでより自己資本の充実を迫る規制強化の流れそのものは、簡単には変わらないだろう。

その流れを先取りして、三井住友FGは、マイナス金利に喘ぐ系列2地銀に新たな支援の必要が具体化する前に、自行よりも自己資本比率の低い2行を手放しておきたかったとみられる。






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