IoTをモノづくりでどう使う? OKIが自社事例を公開 – @IT MONOist

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 OKIは2017年6月2日、東京都の東京国際フォーラムで、顧客向けイベント「OKI Styleセミナー2017 in 東京」を開催。ITを活用した同社のモノづくり現場での取り組みや研究開発の動向などを、最新の事例をまじえながら披露した。

OKIのモノづくりを支える社内IT

photoOKI 執行役員の宮澤透氏

 セミナーは今回初めて開いたもので、OKI 執行役員の宮澤透氏は「当社では、モノづくりに対する深いこだわりや技術力をもっと知ってもらうことを目指して、2016年12月に『OKI Style』という冊子を発行した。内容は当社の歴史や社内ICT、研究開発の取り組みなどで、この中身をさらに詳しく紹介するため開催した」などとセミナーの狙いを紹介した。会場には製造業をはじめ、流通業など幅広い業種の顧客が訪れた。

 OKIでは10年後を見据えて、「モノづくり」や「サービス事業」を支える独自のICT基盤の整備を推進。2〜3年後に企業価値向上に貢献できるIT整備と意思決定支援ができる体制を構築し、10年後にはIoT/人工知能(AI)を活用したモノづくりの強化とサービス事業支援が行えるようICT基盤を整備を進めている。

 これらのICT(情報通信技術)をモノづくりやサービスに活用する取り組みを現在でも既に実現。セミナーではこれらの事例を紹介した。

IoT活用による組み立て支援

 メカトロシステムの富岡工場(群馬県富岡市)ではコンビニ向けATMや流通業界向けの現金処理機、旅客交通市場向けの発券端末などを生産している。同工場はメカトロ生産における部品製造から出荷梱包まで一貫した生産工場で、生産品目が多岐にわたる多品種少量製品となっている。

 これに対応するため部品加工ではプレス金型を使わない方式を採用している。金型を製作せず、レーザー加工機で製作することでコストダウンを図るとともに高精度部品の品質確保を実現する。さらに、作業者と生産設備の情報統合マネジメントシステムを採用し、加工ノウハウの数値化などを推進する。組み立て支援の取り組みとしては、作業者の早期習熟、製品組み立て品質の安定、継続的な組み立て作業改善や改革を図るため、IoTを活用した組み立て支援システム(プロジェクション組み立てシステム)を開発し、多品種少量製品を実現した世界ナンバーワンの生産ラインを目指している。

生産工程の見える化とトレーサビリティー

 一般企業向けPBX(各種電話機、交換機、周辺端末)無線端末、ホームゲートウェイ端末などを生産する本庄工場(埼玉県本庄市)は、工程間の生産仕掛かりの適正化(生産進捗のリアルタイム管理、工程間の製品仕掛かりの監視、工程バランスの崩れの警鐘)および品質のトレーサビリティー(リアルタイムな追跡と工程飛ばし防止、不具合の早期原因分析、ラインアウト品の管理)を目的に「見える化」に取り組んでいる。

 同工場の端末製品生産ラインは絶えず製品が流れており、進捗・滞留・不具合が見えづらいため、独自の工程管理システムを導入。同システムを活用することで、生産ラインの状況などを見える化し、生産ラインの不具合をほぼリアルタイムで把握できるようにしているという。

生産改革活動とICTの融合によるフレキシブル生産の追求

 沼津工場(静岡県沼津市)では防衛、航空管制、道路、防災救急無線などの防災システムの生産拠点である。多品種少量の実装基板とユニット生産、個別受注のシステム生産から現地設置まで手掛けている。特にカスタマイズ性の高い製品の生産が多く、市場の要求にいち早く対応できるよう柔軟な生産体制が求められているという。

 これらの要求に対応するため、国家資格と高技術を有するスーパー万能工、ラギダイズ生産技術(耐環境性を付与する技術)、品質システムなどの強みをより強化し、工場全体で生産改革活動とICTの融合を進めている。生産改革活動では業務プロセス改善を進め、例えば、現場のEUC(End User Computing)を推進するため、各種基幹システムのデータを統合データベースに集約。誰でも同じ手順でデータを取得できる情報の入手窓口を構築している。

顧客ニーズを実現する生産技術サービス

 生産受託サービスを行うEMS事業部は、情報通信機器のモノづくりで培った経験をもとに、高品質で高信頼性が必要な装置の設計、開発、量産までを一貫して受託している。高機能品質を多品種少量で作ることで、差別化を図っているという※)

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 顧客企業は、情報通信、計測機器(半導体テスターなど)、医療機器(内視鏡制御装置など)、産業機器(大型のカッティングプロッタ、エレベーターの制御装置など)まで幅広い。高品質化を図るための取り組みとして、大型高密度SMTラインや大型基板洗浄、コーティングなどの製造装置や技術を導入し、表面実装、挿入部品実装、検査の各プロセスで、高度化を進めている。今後は新規に航空宇宙や車載分野などにも対応していく方針だ。




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