トランプ政権 NAFTA再交渉 米農業団体警戒強める – 日本農業新聞

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 米国の農業団体は、トランプ政権による北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方に警戒を強めている。メキシコとカナダは、米国農業の最大の“お得意さま”。乱暴なトランプ氏のせいで話がこじれれば輸出にブレーキがかかりかねない。一方で、再交渉の中では遺伝子組み換え(GM)作物の基準を米国にとって有利に見直すことも求めている。

 大統領選を通しトランプ氏はNAFTAを「最悪の協定」と攻撃してきた。米国企業がメキシコに流れ、自動車など国内製造業が廃れる原因となったという理由だ。当初よりトーンダウンしてきたが、8月半ばにNAFTA再交渉を設定した。

 「ロシアとの関係で政治的苦境に陥るトランプ氏に、NAFTA再交渉は数少ない前向きな話。ここで派手に立ち回られると、農業側は困るだろう」と米国の農業ジャーナリストは解説する。

 米国最大の農業団体ファームビューローは6月12日の書簡で「米国内の農家、牧畜業者によるメキシコ、カナダ向け農業輸出は、NAFTA発効後に急増した」とし、NAFTAの枠組み維持を強く求めた。せっかく引き下げたメキシコやカナダの農産物関税が元に戻ったり、国境をまたいで統合が進んだ畜産ビジネスに障害が出たりすることを懸念している。

 NAFTAを大きく修正しようという機運は3カ国の農業界全体としても乏しい。米国、カナダ、メキシコの農業担当閣僚は6月に「農業に関する(立場の)違いは比較的少ない」との共同声明を出した。各国の農業輸出がNAFTA後に増えた他、カナダは再交渉で自国の酪農政策に悪影響が及ぶのを警戒する。

 ただ、米農業団体は再交渉が行われれば、自らの要求をちゃっかり反映させるつもりだ。ファームビューローは書簡でNAFTAを高く評価しつつ、「修正が必要な部分はある」と強調した。

 その一つがGM作物の貿易。NAFTA加盟国の規制の違いにより、米国産の農産物の輸出に悪影響が出ないよう見直しを求めた。地理的表示(GI)保護制度についても、環太平洋連携協定(TPP)合意水準まで引き上げるよう要求。各地でGI保護強化を進める欧州の攻勢に、くさびを打ちたい意向だ。(特別編集委員・山田優)






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