下肢静脈瘤は「血管の老化現象」!静脈をアンチエイジングする「足し算 … – ニフティニュース

Home » 02組織・コーポレートガバナンス » 下肢静脈瘤は「血管の老化現象」!静脈をアンチエイジングする「足し算 … – ニフティニュース
02組織・コーポレートガバナンス, マトリクス組織 コメントはまだありません



下肢静脈瘤は「血管の老化現象」!静脈をアンチエイジングする「足し算」の食事法とは?

下肢静脈瘤を食事で改善できる!(depositphotos.com)

 下肢静脈瘤というと、その患部の血管だけの問題だと思いがちだが、実は静脈全体が機能低下している可能性がある。実際、静脈瘤を持つ人の血管は非常に弱く、伸びきっているケースが多いという。また目に見える静脈瘤がなくても深部静脈の流れが悪くなっているなど、「隠れ下肢静脈瘤」が生じている場合も多い。

 こうした「静脈の老化」は、食事で必要な栄養素を摂るなど、セルフケアで予防・改善できることが国内外の研究結果で明らかになってきている。日本ではほとんど語られてこなかった、静脈を若々しく保ち、下肢静脈瘤を予防・改善する栄養素を紹介する。

従来の「引き算」の食事療法から「足し算」の食事療法へ

 『下肢静脈瘤が消えていく食事』(マキノ出版)を上梓した北青山Dクリニック(東京都・渋谷区)の阿保義久院長に、血管内皮の酸化や炎症を防いだり、血液をさらさらにしたりする栄養素について詳しく話を聞いた。

 阿保院長は「血管の健康というと『動物性脂肪は摂り過ぎない方がいい』『糖質や塩分は控えめに』など動脈硬化の予防について語るものが多い。いわば『引き算』の食事療法」だという。

 しかし「一方の静脈は、動脈硬化の危険因子である高血圧や高血糖、脂質異常症などはあまり関与しておらず、老化を予防するには、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなど静脈を強化するための栄養素を補充することが重要となる。いってみれば『足し算』の発想だ」と語る。
 

下肢静脈瘤を改善し、静脈のアンチエイジングにつながる栄養素とは?

 では具体的に、どのような栄養素を補給することが静脈のアンチエイジングにつながるのか? 先述の『下肢静脈瘤が消えていく食事』から5つを紹介する。

?血管壁を強化して、拡張を防ぐ「ビタミンP」

 下肢静脈瘤のある人の静脈は、血管壁が弱り、伸びやすくなっているケースが多い。血管壁に弾力がないと血液が淀み溜まりやすく、瘤を形成しやすい。そこで血管壁を強化して、血管の拡張を防ぐことが重要になる。

 それにはルチンやヘスペリジンといった「ビタミンP」を摂取することが有効だ。ルチンはポリフェノールの一種で、蕎麦やイチジク、アスパラガス、ナス、ホウレンソウなどに含まれる。ヘスペリジンは聞き慣れない栄養素だが、これもポリフェノールの一種で、ユズやキンカンなど柑橘類の皮、袋、筋などに含まれる。

?静脈瘤を引き起こす「血管新生」を阻害する「アントシアニン」「MMP阻害剤」

 静脈瘤の発症要因の一つとして、近年注目されているものに「血管新生」がある。血管新生とは、既存の血管が詰まったり細くなったりしたところに新たな血管が形成される現象のこと。従来の治療法であるストリッピング手術の術後に、しばしば血管新生が起こり、下肢静脈瘤の再発を招いていた。また手術を受けていなくても、静脈瘤が進展する過程で血管新生が起こっている可能性もある。

 血管新生を防ぐには、「アントシアニン」や「MMP阻害剤」の摂取が有効とされる。アントシアニンはポリフェノールの一種で、ブルーベリーやイチゴ、カシス、ブドウ、紫タマネギ、紫キャベツなどに含まれる。MMPとは細胞同士を固定する接着剤の役割を果たしている「細胞外マトリックス」を分解する酵素のこと。MMPが過剰に分泌されると、細胞外マトリックスが破壊され組織がもろくなる。

 実は下肢静脈瘤の患者では、このMMPが過剰に分泌されているのでは?という研究論文が発表されている。このMMPの過剰分泌を阻害する物質には、山菜のミヤマイラクサ、タラノキ、ヤグルマソウ、階層ではエゾヤハズ、ミル、ケウルシグサ、イソモク、コノハノリなどに含まれているとされる。馴染みが薄い食材ばかりだが、山菜や海藻類での代用が可能だ。

?血管内皮の酸化や炎症を抑える「ビタミンC、E、A」「ポリフェノール」

 血管の損傷や老化を招く要因の一つに、血管内で発生する「活性酸素」がある。活性酸素により血管内で酸化反応が起こると、血管壁が傷ついたり炎症が起きたりする。

 これらを防ぐには「抗酸化物資」の摂取が重要になる。抗酸化物質には、ビタミンCやEやA、ポリフェノール類などがある。ポリフェノール類にはポリフェノール(赤ワインなど)やイソフラボン(大豆など)、カテキン(緑茶など)、クロロゲン酸(コーヒーなど)、リグナン(ゴマなど)、ケルセチン(タマネギなど)などの種類があり、いずれも高い抗酸化作用がある。

?血液粘度を下げる「EPA・DHA」など

 静脈圧が高いと、逆流防止弁(参照:壊れた静脈を「接着剤」でふさぐ!?「下肢静脈瘤」の治療は「より体に優しい」新時代へ http://healthpress.jp/2017/07/post-3147.html)に負荷がかかり、弁が壊れやすくなる。この静脈圧を高める一つの要因に、血液粘度の高さがある。要は血液がドロドロの状態だ。血液がドロドロになると血流が悪くなり途中で滞るので、血管に大きな負荷がかかる。

 血液をサラサラに保つためには、以下のような栄養素を積極的に摂取したい。EPA・DHA(イワシ、マグロ、サバなど)、硫化アリル(ニンニクやネギ、ニラなど)、カプサイシン(トウガラシやシシトウなど)、ペクチン(食物繊維の一種。リンゴや柑橘類の皮に含まれる)、ロズマリン酸(ローズマリー、シソ、レモンバームなど)、ブロメライン(パイナップル、バナナ、ニンニク、生姜など)。また静脈圧を高めないためには便秘をしないことも大切で、「食物繊維」を積極的に摂取したい。

?足の痛みや重苦しさを解消する「ハーブ」

 欧米で使われているハーブの中には、足の痛みや重さ、むくみの解消に効果のあるものがある。ホースチェスナット(西洋トチノキ)、ホーソン(西洋サンザシ)、ブッチャーズブルームなどで、ハーブティーなどで取り入れるといいかもしれない。

 初めて耳にする栄養素や食材も多いかもしれないが、静脈を若々しく保ち、下肢静脈瘤を予防・改善するために、普段の食事に「足し算」の発想で上記の栄養素を補充したい。
(取材/文=渡邉由希・医療ライター)

阿保義久(あぼ・よしひさ)
北青山Dクリニック院長、血管外科・腫瘍外科医。
1993年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院第一外科、虎ノ門病院麻酔科、三楽病院外科、東京大学医学部腫瘍外科・血管外科を経て、2000年に北青山Dクリニックを設立。2004年、医療法人社団DAP設立。2010年、東京大学医学部腫瘍外科・血管外科非常勤講師。
国内で初めて下肢静脈瘤の日帰り根治手術を発案したパイオニアとして、総治療実績は3万例を超える。現在は、「日帰り手術」「予防医療」「アンチエイジング」を三本柱に、下肢静脈瘤を中心とした日帰り手術を行うほか、病気の発生を未然に防ぐための人間ドックや抗加齢医療などを積極的に提供。2009年からは、がんの遺伝子治療にも精力的に取り組んでいる。






コメントを残す