企業業績、回復鮮明に=海外事業がけん引-くすぶる中国・円高リスク – 時事通信

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4~6月期連結決算発表で記者会見するトヨタ自動車の大竹哲也専務役員(左)と村上晃彦専務役員=4日、東京都文京区

 上場企業の業績回復が鮮明になっている。時事通信社の集計によると、7日までに2017年4~6月期決算を発表した東証1部上場833社(金融を除く)の連結経常利益は、前年同期比19.3%増加。堅調な海外事業が電機や商社などの業績をけん引した。18年3月期通期予想の上方修正も相次ぐが、中国や円高のリスクはくすぶり、先行きは楽観一辺倒ではない。

 ◇ソニー、最高益
 「増収増益に転じる年と位置付けており、順調なスタートを切れた」。車載電池など自動車関連が好調で増益を達成したパナソニックの梅田博和取締役は、業績に手応えを感じている。
 4~6月期は、事業構造の転換を進めた電機各社の復調が目立った。中国向け建設機械が復調した日立製作所は営業利益が、アジアの工場向け自動化設備が好調の三菱電機は純利益が、それぞれ過去最高を更新。ソニーも10年ぶりに営業最高益となった。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で経営再建中のシャープは、4~6月期として7年ぶりに純損益が黒字化した。
 前年同期は、世界経済への先行き不安から一時1ドル=99円台を付けるなど急激な円高が進み、企業業績を直撃した。今年は為替が110円前後で安定的に推移したことも支えとなった。
 ◇海運はV字回復
 非製造業の業績も好調だ。石炭や鉄鉱石など資源価格上昇の恩恵を受けた大手商社は、三菱商事をはじめ7社全社が純利益で黒字幅を拡大。住友商事は3.5倍に膨らみ、過去最高を達成した伊藤忠商事の鉢村剛常務は「通期での最高益達成に向け着実かつ力強い決算だ」と語った。
 海運業界も長い低迷期を脱し、荷動きが活発化してきた。日本郵船は、純損益で黒字転換を果たし、「どん底だった昨年に比べるとV字回復だ」(宮本教子経営委員)と胸をなで下ろす。ANAホールディングスや日本航空も、国際線や貨物ビジネスが好調で増収増益だ。
 時事通信社の集計では、18年3月期通期予想を見直した76社のうち70社が上方修正した。予想の前提となる想定為替レートを円安方向に見直したソニーやセイコーエプソン、三菱電機、ホンダなどが相次いで、当初予想を上回る見通しを示した。
 ◇共産党大会後に懸念
 もっとも、「中国経済や為替相場は先行きが不透明で今後の動向を見極めたい」(日立建機の桂山哲夫常務)として、先行きに慎重な企業も少なくない。JFEホールディングスの岡田伸一副社長は「(秋の)共産党大会に向けて景気刺激策を講じてきた中国が、大会後にどう変わっていくのか懸念がある」と話す。
 自動車業界では、収益源だった米国で新車需要が減少。その対策としてディーラーに支払う販売促進費が増え、各社の利益を圧迫している。
 トヨタ自動車は、想定為替レートを円安方向に見直した結果、18年3月期通期で2200億円の営業利益押し上げ効果を見込むが、それでも前期比では2期連続の減益見通しだ。大竹哲也専務役員は「減益を回避すべく、さらなる収益改善に取り組む」と述べ、コスト削減を強化する構えを見せている。

◇通期業績予想を上方修正した主な企業と理由
  主な修正項目       修正内容 理由                  
ソニー  売上高     83,000 想定為替レートを円安方向に見直し    
           (80,000)                     
三菱電機 純利益      2,350 円安と工場向け自動化設備の好調     
            (2,150)                     
エプソン 純利益        580 想定為替レートを円安方向に見直し    
              (490)                     
日航   純利益      1,080 4~6月期の上振れ分を織り込み     
            (1,000)                     
トヨタ  純利益     17,500 想定為替レートを円安方向に見直し    
           (15,000)                     
ホンダ  純利益      5,450 想定為替レートを円安方向に見直し    
            (5,300)                     
(注)単位億円。カッコ内は従来予想
(2017/08/07-19:07)

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