東芝再建 迫るリミット 決算を確定、次は半導体 – 日本経済新聞

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 東芝は10日、監査法人の限定付き適正を得た有価証券報告書(有報)を提出し、2017年3月期決算を確定した。上場維持に向けた次の焦点は債務超過の解消に移る。半導体事業の売却交渉について綱川智社長は「最善を尽くす」としているが、提携先による売却差し止め訴訟などが壁になり、タイムリミットが迫っている。半導体事業売却が間に合わない事態に備えた資本増強など代替案も現実味を帯びてきた。

 会計監査を担当するPwCあらた監査法人は数カ月に及ぶ協議の末、17年3月期決算に「限定付き適正」の意見をつけた。監査意見が内容が正しくないことを示す「不適正」だった場合、東京証券取引所の審査で上場廃止の可能性があったが、ひとまず回避した格好だ。

 次の焦点は半導体メモリー事業の売却を実現し債務超過を解消できるかどうかに移る。綱川社長は同日の会見で産業革新機構を核とする「日米韓連合」、協業先のウエスタンデジタル(WD)の陣営、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の3陣営と交渉を続けていると説明したが、いずれも膠着状態が続く。

 東芝は17年3月期末に5529億円だった債務超過を18年3月末までに解消できないと上場廃止となる。このため3月末までに売却を完了させ、経営再建の道筋を付ける考えだ。

 ただ、売却交渉で合意した場合も課題は残る。最大の障壁となっているのが売却差し止めを求めたWDとの訴訟問題だ。来年3月までに国際仲裁裁判所で差し止めの仮処分が出た場合、東芝は事業売却を完了できないリスクがある。

 さらに、売却決定後に控える中国など各国の独占禁止法の審査には9カ月程度かかるとされる。18年3月末まで残された時間は8カ月を切った。無事に売却合意にこぎ着けたとしても、期限内に独禁法審査を通過しなければ売却は完了しない。売却実現の可能性について綱川社長は「容易ではない」と述べた。

 いずれの交渉も決裂し売却できなくなった場合、新たな財務改善策が必要になる。上場廃止を避けられるシナリオとしては、東芝本体の資本増強策が浮上する可能性もある。ただ、資金の出し手が見つかるかどうかは不透明だ。

 東芝では売却の代替案としてメモリー部門の新規株式公開(IPO)も視野に入れているもようだ。ただし、上場準備に1~3年の時間を要するとされるため、金融機関の間には慎重な意見もある。部門IPOの場合は東芝本体は上場廃止となる公算が大きい。

 東芝は半導体事業に関わらない追加損失などのリスクも抱える。米テキサス州の液化天然ガス(LNG)供給事業は、今後の事業展開次第で損失引き当てが必要となる。非連結化しリスクを遮断した格好の米原子力大手ウエスチングハウスの原発建設事業でも、米国の住民訴訟などなおリスクは残る。安定成長に向けては毎月100人単位で競合他社への流出が続く人材のつなぎ留めも欠かせない。






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