岐阜大学が世界初の発見、受容体型チロシンキシナーゼ Kit の脳形成の役割 – 大学ジャーナルオンライン

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 受容体型チロシンキシナーゼKitは、細胞外からのシグナルを細胞内に伝達し、細胞の様々な性質を調整するリン酸化酵素の1つとして知られる。Kitには、組織・器官の発生や再生に必要な幹細胞の増殖・分化に重要な役割があることが分かっている。ところが、Kitが最も多量に発現する脳における役割については、これまで明らかにされていなかった。

 岐阜大学大学院医学系研究科の青木仁美講師らは、世界で初めて、Kitが脳の形成に重要な役割を果たすことを発見した。本研究では、脳神経領域でKit遺伝子の機能を失わせた遺伝子操作マウスの成育を観察。これらのマウスは例外なく脳の成長が進まず、胎児期にすべて死亡した。さらに、神経幹細胞を調べると、その増殖に異常があることが分かった。

 なお、受精卵の段階で既にKitの機能を失っている突然変異マウスの脳には異常が見られない。これについて発表では、受精卵の段階でKitに異常があると、Kitの機能を代替する遺伝子が代わりに発現することで、脳の成長が誘導されると仮説立てている。本研究で使用した遺伝子操作マウスの場合は、脳の形成が始まる受精後8.5日前後に突然Kitの機能を失わせるため、Kitのシグナルに依存していた神経幹細胞が増殖せず死んでしまい、脳の成長が進まないと考えられるという。

 Kit以外にも、発現が認められるのに機能が明らかではない遺伝子は数多く存在する。本研究結果から類推すれば、これらの遺伝子も、受精卵の段階で機能を失わせた場合、別の代替遺伝子が発現することで異常が観察されない可能性がある。今後、この予想を他の遺伝子でも確認していくことで、数多くの遺伝子で新しい機能が発見される可能性がある。

論文情報:【JCI insight】Induced haploinsufficiency of Kit receptor tyrosine kinase impairsbrain development






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