東芝メモリ、増産投資継続 「WDと協業で」 – 日本経済新聞

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 東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」は今後、年間三千数百億円の設備投資を続ける。同社の成毛康雄社長が13日、三重県四日市市で開いた記者会見で方針を明らかにした。四日市工場(同市)や岩手県北上市で工場建設を進め供給不足のメモリーの増産を急ぐ。係争中の協業先、米ウエスタンデジタル(WD)と共同開発を続け、韓国サムスン電子を追う姿勢を示した。

 成毛社長は東芝メモリとして独立する来期以降の設備投資について「年間三千数百億円というイメージで投資を続ける」とした。今期の投資額は3800億円を見込む。

 米投資ファンドのベインキャピタル率いる「日米韓連合」による東芝メモリ買収が9月下旬に決まってから、東芝メモリが投資計画を明らかにするのは初めて。従来示していた年間3000億円前後の計画から金額を上積みした。

 東芝メモリは現在、データ保存量を飛躍的に高められる「3次元メモリー」専用の第6製造棟を四日市工場内で建設している。スマートフォンやデータセンター向けで主流になりつつある3次元メモリーの比率を2019年3月期に90%に高める。

 第6棟の建設現場のそばでは第7棟予定地の整地作業も始まっていた。成毛社長は「第7棟はかなり長い期間活用することを前提で考える」とし、岩手県の北上工場に次いで四日市でも製造棟を新設する計画を示した。

 ただ共同で投資してきたWDとは係争状態が続く。8月には第6棟の初期投資を東芝メモリ単独で行うことを決めた。半導体製造装置の高機能化によって投資負担が重くなっている半導体業界で、東芝メモリ単独で巨額の投資を続けるのは難しい。成毛社長は「(WDと)投資を一緒にできればスケールメリットが生かせる。早急に関係改善を進めたい」と対話を呼びかけた。

 一方で、資金の出し手に加わる競合の韓国SKハイニックスによる設備投資の可能性については「(東芝メモリとWD、SKの)3社が同じ製造ラインにかかわるのは今の契約ではできない。現時点では(WD傘下の)サンディスクと一緒にやっていく方向がスムーズ」とした。

 メモリー製品の次世代品の設計開発についても「サンディスクと一緒に進めていく」と明言。SKと協業する別のメモリー開発プロジェクトについては「(サンディスクとの協業と)すみ分けていく」と話した。

 東芝メモリの売却可否のカギを握るWDとの係争について成毛社長は「(係争が続き共同投資できなければ)WDのマーケットでの存在価値が下がる。何らかのところで歩み寄れると思っている」と話した。

 ただ半年超にわたる売却交渉、協業先との衝突によってサムスン電子の背中は遠のいている。NAND型フラッシュメモリーの世界シェアはサムスン電子の38.3%に対して東芝は16.1%(IHSマークイット調べ)。2年前からさらに引き離された。

 東芝はフラッシュメモリーに集中するため、01年にDRAM事業を手放した。その後サムスンが4割の世界シェアを握り、現在は寡占に近い。DRAMの採算性はフラッシュメモリーを上回り、半導体の設備投資に東芝メモリ単体の3倍以上となる年1兆円以上投じる豊富な資金を支える。

 成毛社長は会見で「サムスンと戦う上で、1人より2人の方がいいのは間違いない」とも語り、何度もWDとの協業関係の重要性を説いた。






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