「意味ある投資を提案」吉村氏(投信販売の達人) – 日本経済新聞

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 マイナス金利下の運用難、海外の不動産投資信託(REIT)で運用する投信の人気失速、顧客本位の徹底――。投信販売を取り巻く環境が厳しさを増し、営業の現場で悩みを抱える販売員は多い。

野村証券の吉村隆義氏

野村証券の吉村隆義氏

 そんな中でも着実に販売成績を伸ばす「達人」がいる。野村証券の新宿野村ビル支店ファイナンシャル・コンサルティング課で働く吉村隆義氏(2004年入社)に話を聞いた。吉村氏は資産拡大やストック収入純増などを含めた総合評価で社内上位。

■富裕層向け営業、信頼関係築く

 ――お客様はどんな方が多いですか。

 「私が担当しているお客様は、支店の立地的に上場企業のオーナーや会社経営者などの富裕層が中心です。年齢が比較的若いお客様が多く、ある程度リスクを取ってアクティブな投資スタイルを好まれる傾向にあります。お預かりする資産は投信や仕組み債などが多いです」

 ――営業スタイルは。

 「お客様が保有している資産内容や人生設計などを丁寧にヒアリングし、ニーズを把握しながらじっくり時間をかけて信頼関係を築くようにしています。その上で資産の置きどころを一緒に考えたり、資産配分がお客様のライフプランに合致していない場合などには他の資産への分散を提案したりします。商品を販売してからのアフターフォローも継続的に行っています」

■顧客の知識レベルに合わせ説明

 ――投信は商品内容の説明が難しいのでは。

 「お客様によって金融知識が異なるので、それぞれのお客様に合わせて分かりやすく説明するよう心掛けています。投資経験が浅いお客様に対しては『投資信託』という用語を使いません。投信と聞いてもピンとこない方が多いからです。まずは『日本株に投資したい』とか『新興国の債券に興味がある』といった希望をお伺いして、お客様のニーズに合ったファンドを選んでお勧めしています」

 「投資経験が豊富なお客様の中には、すでに類似のファンドをいくつも持っていらっしゃる場合があります。リスク許容度の範囲内で好んで保有されている場合もありますが、その人にとってそれが本当に必要で適切なのかどうかは一緒に考えます」

■ファンドで持つ意味のある商品提案

 ――投信販売で特に心掛けていることはありますか。

 「相場観とファンドの仕組みを切り分けて話すようにしています。仕組みが複雑な投信の場合、組み入れ資産の値動きと合わせて話してしまうと分かりにくくなってしまうからです」

 「投資信託はいろんな資産を詰め合わせた箱のようなもので、それぞれの資産に直接投資するよりもコストが掛かります。その半面、自分では直接買いにくい資産や地域に投資できたり、一つのファンドで複数の資産に分散投資できたりするメリットがあります。コストを払ってでも『ファンドとして持つ意味のある商品』であることが一番重要だと思います」

■AI関連などテーマ型ファンドが人気

 ――どんなファンドが人気ですか?

 「最近はやはりAI(人工知能)やビッグデータ関連のファンドが人気ですね。高い将来性を感じるテーマ型のファンドはお客様にも分かりやすく、ファンドとして保有する意味があると思っています」

 「リスクに対する許容度はお客様の属性や居住エリアによって違います。ここ数年はお客様発で自然と人気が高まるファンドが出てきています」

■素早いレスポンスを

 ――営業面で気を付けていることは。

 「常に素早いレスポンスを心掛けています。お客様から調べてほしいと頼まれれば、業務と直接関係ないことも含めてできるだけ早く回答するようにしています。これは新人時代から常に意識していて、例えば税制の変更だとか他社商品のことでもすぐに調べてお知らせしています」

 「複数の金融機関とつき合いのあるお客様が多いので、自分に『ファーストコール』がかかってくることは重要です。ちょっとしたことでも最初に電話をいただけるのは営業員として光栄なことです。テレビコマーシャル(CM)の『それ、野村にきいてみよう。』のキャッチフレーズをお客様に実感していただけるように、日々業務に取り組んでいます」

 ――逆に失敗談があれば教えてください。

 「新人時代に訪問先のお客様に『わざわざ顔を出さなくてもいい』と叱られたことがあります。訪問してお客様とFace to Faceでお話しさせていただく方が信頼関係が深まると思い込んでいましたが、移動中などに相場が大きく変動してもお客様の要望に迅速に応えられない場合があります。それぞれのお客様に合わせて柔軟に営業スタイルを変える必要があるんだな、と勉強になりました」

■タブレットを使ってファンド説明

 ――投信販売でよく使う資料などはありますか。

 「紙ベースの資料を使うことはほとんどありません。紙だとすぐに情報が古くなってしまうからです。タブレット(多機能端末)を使ってファンドの残高や基準価額のチャート、分配金の推移などをお客様にお見せしながら理解を深めてもらいます」

(QUICK資産運用研究所 竹川睦)






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