インスタ活用術 見栄え重視 → 写真で勝負 →「拡散」期待 農業・観光 今どきPR – 日本農業新聞

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 スマートフォンで投稿する写真共有アプリのインスタグラム(インスタ)で見栄えがする――という意味の「インスタ映え」。大手出版社が主催する流行語大賞の候補に今年、「忖度(そんたく)」と並んで入った今どきのキーワードだ。農業分野でも「インスタ映え」を意識して写真を撮影・投稿し、コストをかけずに商品のPRや顧客獲得につなげる事例が増えている。
 

加工品 撮影に工夫 「美しさ」がポイントに

 東京都のJA町田市女性部フレミズ副部会長、原由貴代さん(39)は青森県・下北半島の郷土菓子「べこもち」を現代風にアレンジした「デコもち」を普及しようと、インスタを活用する。

 原さんは「撮影は自然光を利用することがポイント」と説明する。窓辺で撮影すると、横から光が入って光と影の部分がはっきり分かれ、立体的になるという。「太陽光は蛍光灯と違って自然な色が出るので、被写体が美しく見える」と話す。

 小物にもこだわる。曇り空の弱い光や、「デコもち」の色が薄いピンクなど柔らかい印象のときは、茶色の自然な色の皿を使う。赤や青などの原色なら黒を使うとより映える。

 自宅で不定期で開催する「デコもち」教室を定期開催につなげるのが目標だ。より多くの人に閲覧してもらおうと、検索ワードに当たる“ハッシュタグ”を工夫するなどアイデアを凝らす。

 

剪定作業もイベントに

 福島県石川町のリンゴ農家、大野栄峰さん(34)は、年間を通じてインターネット交流サイト(SNS)で投稿したくなるようなイベントを開催し、集客確保につなげている。

 例えば剪定作業だ。剪定枝を拾うパート確保に苦労していたが、「みんなで枝を拾い集めて、焼きリンゴをしよう!」とネットで呼び掛けると、参加費1500円を払っても体験したいという人が続出。交通費も自己負担だが、毎年200人が参加する。

 春には花見、夏にはバーベキューも開く。ビニールハウスを会場にするなど、農家の日常が見えるように工夫する。「農業体験は、珍しいことを経験してきたと写真や話題を友達と共有したがっている人に最適」と話す。

 

集客力抜群 海外も 「撮りたい」欲求満たす

 観光客の集客にも「インスタ映え」が一役買っている。愛媛県西予市の田んぼに出現する高さ7メートルの巨大な「わらマンモス」が、「インスタに最適」と人気だ。

 地元の稲作農家と住民が、稲わら文化の継承と米産地のPRを目的に設置。1トン分の稲わらを使い、延べ100人が1カ月かけて作る。

 6月の田んぼの水面に映るマンモス親子や、雪をかぶった「氷河期マンモス」親子など、四季折々の写真が投稿される。

 同市経済振興課は「当初は春だけだったが、通年設置にしてからは、四季折々の写真が撮れてインスタへの投稿が増え、全国での知名度も上がった」と喜ぶ。

 

植栽段階で綿密に計算

 茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園には、園内を真っ赤に染めるコキア(ホウキグサ)を目当てに全国、海外から観光客が詰め掛けている。3年連続で200万人を超え、過去最多となる勢いだ。

 「わあ、きれい」「ビューティフル」。老若男女が一心不乱に、カメラや携帯電話で写真を撮る中に、外国人の姿も目立った。同園が造成した「みはらしの丘」には、春には真っ青なネモフィラ、秋には真っ赤なコキアが咲き乱れる。同園によると、近年はSNSで風景写真が世界中に拡散し、海外の観光客が増えるなど、来園者が右肩上がりに増えている。

 品種選定や作型、植栽方法も、写真映えを意識する。コキアの品種は、種苗会社と開発したオリジナル品種で、ふわふわ感があり、丸くて小さな株の品種。植栽間隔もネモフィラが幅20センチ、コキア70センチと、見栄え重視で計算する。

 管理運営センター業務課の加藤伸治課長は「草姿が美しく見え、地肌が見えない絶妙な幅にした。草取りの作業性も良い」と説明する。「インスタ映え」のために、見えない地道な努力を続けている。






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