ADK、TOB成立で非上場化 失われた20年挽回なるか – 日本経済新聞

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 国内広告代理店3位のアサツーディ・ケイ(ADK)は7日、米投資ファンド、ベインキャピタルによるTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。約20年にわたる世界最大手のWPPとの提携では成果が得られず、その間広告業界で進んだグローバル化とデジタル化で後れを取った。ベインとの二人三脚で「失われた20年」を取り戻せるか。

 全株式の87.05%がTOBに応募した。ADKとベインは10月2日にTOBを発表したが、当初、25%の株式を持つ筆頭株主のWPPや2位株主の運用会社が反対を表明。TOB成立が不透明だったが、11月21日にWPPが一転、TOBに応じることでベインと合意し、成立にこぎ着けた。臨時株主総会を経て来春ごろまでに非上場となる。

 ベインの杉本勇次日本代表は7日、日本経済新聞の取材に対して「今は広告業界の大きな転換点。これまでのメディアから広告枠を買って企業から出稿される広告をはめるというビジネスモデルから、顧客企業のマーケティングを総合的に支援するモデルへと変わっている」と語った。

 ベインキャピタルはもともとコンサルティング会社の社員が独立して設立された。マーケティングコンサルのノウハウをADKに伝授し、グローバルに持つ顧客基盤も活用できるとみる。「必要があればM&A(合併・買収)も仲介する」(杉本代表)。WPP傘下でほとんどできなかった、M&A戦略を加速させる。

 ADKはWPPとの提携が足かせになり、自由に身動きが取れないまま時間を空費してきた。その間、上位2社に規模と利益の両面で大きく水を空けられた。国内最大手の電通は2013年に買収した英イージスを通じて、デジタルに強い海外の新興広告会社を相次ぎ傘下に収め、グローバル化とデジタル化を一気に進めた。

 世界の広告業界で指標として用いられる売上総利益は16年12月期でADKが511億円。電通(7890億円)と2位の博報堂DYホールディングス(2486億円)に遠く及ばない。

 広告業界でデジタル化が急速に進んでいるとはいえ、少なくとも日本ではテレビが最大の広告媒体である状況はしばらく続く。ADKは「規模は追わない」(植野伸一社長)というが、購入する広告枠の量が仕入れ価格に直結するため、規模は利益率を高める近道だ。

 顧客に満足度の高いサービスを提供し続けることで、質を量につなげられるかが、TOBによる非上場化という荒療治の成否を握る。






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