生きる熟練者の知恵、327工場を構えるパナソニックのIoT革新 (1/2) – @IT MONOist

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 MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの産業向け5メディアは2017年12月4日、都内でセミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。東京での開催は2016年に続いて2回目となる(※)

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 本稿では、第1回で、基調講演に登壇したパナソニック専務執行役員でコネクティッドソリューションズ社 社長の樋口泰行氏の講演内容を中心に午前の講演の内容を紹介する。第2回、第3回では、スマートファクトリートラック、IoTテクノロジートラック、それぞれの内容を紹介する。

パナソニックが取り組むモノづくり革新

 樋口氏は1980年にパナソニック(旧松下電器産業)に入社して12年間を過ごした後、ボストン・コンサルティングやアップル、日本ヒューレットパッカード(HP)、ダイエーなどを経て、日本マイクロソフトの社長を10年務めた。その後2017年4月にパナソニックへ復帰したという経歴を持つ(※)

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photoパナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社社長の樋口泰行氏

 外資系企業を歴任してきた樋口氏から見て「生産技術やノウハウというのはパナソニックの強みの1つとなっている。パナソニックには生産技術にかかわる生産技術部が1400人もおり、日々新たなモノづくりに挑戦している」と述べる。

 IoT(モノのインターネット)などの進展により生産領域では、スマートファクトリー化などへの取り組みが加速しているが、樋口氏は「これらは全て『つながる』がキーワードだ」と強調する。

 「メーカーと顧客がつながり、拠点と拠点がつながる。また、現場と経営層がつながり、サイバーとフィジカルの世界がつながっている。これらの『つながり』を実現することで、例えば、完全な品質のトレーサビリティーを確保することなどが可能になる」と樋口氏は語る。

 パナソニックでは、民生品から業務用製品、各種部品など、数多くの製品群を展開しており、これらに関連する製造拠点はグローバルで327拠点に及ぶ。これらの工場では、それぞれで生産革新活動が進んでいるが、これらの工場でもスマートファクトリー化やデータ活用は大きなテーマとなっている。

 その中で具体的な取り組みとして「最適バリューチェーン」「設計・製造連携」「サイバーフィジカルシステム」という3つを挙げ、マスカスタマイゼーション(カスタム製品を大量生産の効率で作ること)やゼロディフェクト(不良ゼロ)を実現する「スマートマニュファクチャリング」構築に向けて取り組みを進めている。

 ゼロディフェクトに向けては、品質トレーサビリティーの確保に向けた「工場ビッグデータ」の構築を進めている。ここには、現場のMES(製造実行システム)や設備などのログに加えて、センサー情報や、現場の作業員による気付きや日報、点検結果など、人につながるデータなども収納していることが特徴である。これらの扱いやすいデータに高速加工し、リアルタイムに見える化するという仕組みだ。

 これらで得られたデータをAI(人工知能)により学習し異常傾向の因果関係を抽出する。これによりメンテナンスを支援する。さらに、これらの異常情報などを保全作業に生かす保全作業指示システムなどにも活用する。

パナソニックが目指す3Dファクトリー

 マスカスタマイゼーションに向けては、バーチャル空間での検証を活用する「3Dファクトリーモデリング」「動的生産管理」「標準作業ナビ」などを推進している。

 3Dファクトリーとは、工場の全景をスキャニングしてバーチャルデータ化し、それをもとに、製造現場や作業の3Dモデリングを行うという取り組みである。工場での生産活動の全てを仮想空間上で再現する一種の「Digital Twin(デジタルツイン)」を構築し、そこでの検証を進めることで実際にモノを動かす場面を減らしながら、効率的な生産体制を構築できる。

 さらにこれらの「3Dファクトリー」を生かし、カスタム注文に対しサイバー空間でのシミュレーションを活用し、動的に変化し続ける生産環境を管理し最適な指示を出すシステムが「動的生産管理」である。また「標準作業ナビ」は、人手のセル生産などにおいて、熟練作業者の作業を動画で撮影し、それを標準作業マニュアルとして構成。その標準作業をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのウェアラブル端末や音声認識などを活用して、他の作業者に教育するような仕組みである。これらを活用してあらゆる変化に柔軟に対応できる生産環境を実現することを目指している。





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