世界へ羽ばたく日本発の2画面スマホ「M」、ZTE幹部が語る戦略 – ケータイ Watch

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 2つのディスプレイを搭載し、折りたたみが可能なドコモの「M」は、その珍しさから、発表時に大きな話題を集めた。2月に発売を控え、予約も開始された。この端末をドコモと共同開発したZTEも、CESに出展。米国では、「AXON M」としてすでにAT&Tから発売されているが、同社のブースでは、この端末を改めて大々的にアピールしていた。

2画面モデルの「AXON M」。日本では「M」として2月に発売される

 同ブースで、ZTEコーポレーション上級副社長とZTEモバイルのEMEA、APAC地域CEOを兼任する張樹民氏が、報道陣からの質問に答える形で、Mを開発した経緯や、ZTEの戦略を語った。主な一問一答は、次の通り。

インタビューに応じた張樹民氏

――MはグローバルでAXON Mとして発売されている。反響は?

張氏
 AXON Mは、弊社とドコモで共同開発した商品で、イノベーションのある端末として、高い期待をしている。今のAndroidスマートフォンは、みな同じ顔をしており、機能も同じで、ほとんど差がなく、ユーザーの不満は大きくなっている。差別化をしなければいけない時期になっているということだ。ZTEとドコモで、どうユーザーのニーズに応えるかを考え、市場の動向も踏まえてAXON Mを開発した。Android OSも進化しており、今はマルチタスク、デュアルスクリーンも実現できるようになったことも大きい。

 MはZTEとドコモが一緒に発表したものだが、日本外でも、アメリカや欧州、中国で出すことができた。昨年10月にアメリカのAT&Tが発表し、その後販売も始まっている。AT&Tでは、1000店のコア店舗で展開している。AT&TとZTEで、もっと販促を強化し、たくさん売れるように努力していきたい。

 欧州では、Vodafoneでの採用が決まり、ほかのキャリアでもテストをしているところだ。間もなく、ほかのキャリアからもアナウンスができる。イタリアのTIMでの採用も決まった。中国では、近く、オンラインショップのJDで販売するほか、1社のキャリアからも発表することになる。これらのキャリア以外でも興味を持っているところは多く、声がかかっている。需要なキャリアに絞り、商品を展開していきたい。

AT&T版は、背面に同社のロゴが入る

AXON Mを中心に据えた、ZTEのブース

――ドコモと共同開発した経緯や、実際に共同開発してみて感じたことを教えてほしい。

張氏
 AXON Mの開発は、最初にドコモから、「何か新しいものを作りたい」という声がかかってスタートしたものだ。その時点では商品のイメージがはっきりしていなかったが、ZTEもその思いに共感した。新しいものを考えるにあたっては、いろいろなデバイスやキーパーツ、特にディスプレイについて、議論を重ねてきた。フラッグシップモデルはどこまで進化し、どのくらいまでなら商品化できるかを話し、最終的には今の形の、2画面で折りたためる形に決まっている。

 ハードウェア以外では、ユーザーインターフェイス(UI)をどうするか、2画面の操作をどうして、どういったモードを搭載すればユーザーが分かりやすくなるのかを一緒に考えてきた。端末を実際に製造しているのは弊社だが、コンセプトの部分から一緒に議論している意味で、共同開発といえる。

 開発を通して学んだことは、大きく3つある。1つはモノ作りの経験だ。インダストリアルデザインやソフトウェアのクオリティ、バッテリーの品質など、たくさんの経験を蓄積することができた。2つ目に、日本向けとグローバルの品質のバランスをどう取るかの検討、議論もしてきたが、その勉強もできた。3つ目は市場開拓で、AXON Mは、ドコモと市場を共同で開拓している。ドコモと我々が一緒になって欧米のキャリアに行き、話をした。マーケット開拓も日本のスタイルから勉強できたことがあった。

 AXON Mはアイディアとして日本からスタートしたものだ。ただし、逆にモノとして考えると、グローバルの商品を日本に入れたという見方もできると思う。開発の途中では、AT&Tからもたくさんの意見をもらった。その意見も、基本仕様に取り込んでいるため、グローバルモデルを日本に導入したという側面もある。

2画面を1枚のディスプレイにして大画面で表示したり、2人で同じ動画を見たりできる

モードの切り替えボタンを備える

――昨年はドコモからMONOも発売されている。こういう形でのコラボレーションは、密にやっていく方針なのか。

張氏
 直接の答えになっていないかもしれないが、ドコモと弊社のコラボレーションは、1~2年前にスタートしている。これは、日本のキャリアと一緒にモノを作るという考えが一致していたからできたことだ。つい最近、KDDIがもう1社の中国メーカー(ファーウェイのこと)の端末を発表したように、今は新しい形ができ始めている。

 ただし、やるのであれば、世界のトップキャリアと一緒でなければ意味がない。彼らは、市場からの認知度が高く、ユーザーニーズを一番分かっている。イノベーション力や、新しい製品を作るための色々なアイディアも持っている。

 弊社の方針の1つだが、ZTEは(日本や米国などの)重要な市場では、キャリアビジネスを中心にしている。グローバルではオープンマーケットも継続しているが、日本は弊社の中で、最重要市場の1つだ。こういう市場では、キャリアを重視し、キャリアと一緒にユーザーニーズを分析し、それに応えたいという気持ちがある。

 日本は世界をリードしている市場だ。技術以外にも、クオリティに対する厳しさがある。(AXON M以外にも)日本でスタートし、世界に展開する端末は、これからもどんどん作っていきたい。

 また、弊社は5Gに向け、システム設備も世界をリードしている。標準化やシステム開発だけでなく、同時に端末も準備している。日本市場は、5Gでも世界をリードしているので、ここでも端末を企画、開発していきたい。今のスマートフォンの形だけでなく、IoTの世界でどういうデバイスが必要かを検討して、ユーザーに提供していきたい。

――ZTEはSIMロックフリースマートフォンも展開しているが、そちらは縮小してしまうのか。

張氏
 日本市場において、キャリアビジネスが最重要なことは確かだ。しかし、オープンマーケットの重要性も認識している。理由は、ユーザーニーズがつかめるというのが1つ。一般的なユーザーのニーズも変わり、グローバルに近づいている。そこでの経験をキャリアモデルに反映したり、グローバルの企画に反映したりするのが、オープンマーケットの役割の1つだ。オープンマーケットでも、期待に応える商品は継続していきたい。

 また、キャリアとのビジネスをしていく中で、ZTEのブランドや認知度も、少しずつ上がっている。そこは、オープンマーケットの方にフィードバックできるのではないか。

――5Gではソフトバンクとの協業も多いが、端末はどうか。

張氏
 まず強調したいのは、弊社が日本に進出し、最初に端末を出したのがソフトバンクであるということだ。そのときから、端末は出し続けている。一時期、スマートフォンはなくなってしまったが、モバイルWi-Fiルーターやキッズフォンは継続している。ソフトバンクとも、特徴あるモバイル端末を引き続き企画し、5G時代にも一緒に新しいものを出していきたい。スマートフォンにおいては、ソフトバンクの戦略や考え方に従い、アフォーダブルプレミアム、つまりユーザーが手に取りやすい価格で、なおかつ品質のいい製品を提供していきたい。

――他社を見ると、スマートフォン側でAIの処理能力を高める動きがある。ZTEはどうか。

張氏
 イノベーションには力を入れており、弊社は毎年12%を研究開発に投資している。端末においては、AXONシリーズや一部のBladeシリーズに、前々から音声認識や音声制御を導入していた。AIとはうたってはいなかったが、AIの意味がある機能は、どんどん強化していきたい。

――最近はカメラに力を入れるメーカーも多い。

張氏
 各社がデュアルカメラを投入したり、有名カメラメーカーとコラボレーションしたりしているが、我々もカメラについては努力をしてきた。AXONにも、早い時期にデュアルカメラを入れている。デュアルカメラだけでなく、カメラの応用技術、特に3DやARと結び付け、ユーザーが分かりやすく体験できるようにしていきたい。






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