すべての新技術がカンボジアに浸透する訳ではない[通信・IT]ソク・チャンダ – カンボジアビジネスパートナーズ

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メコンネット MEKONGNET Ltd.

CEO: ソク・チャンダ Sok Channda

カンボジアで主に企業向けのインターネットを提供している大手インターネットプロバイダーのメコンネット。現在は高品質なネット環境だけでなく、クラウドサービスやデータセンターなど今後の普及が期待される技術にも注力している。メコンネットCEOのソク・チャンダ氏に、カンボジアの業界事情や事業を行う上で留意すべき点についてお話を伺った。(取材日:2017年10月)

多少高い価格帯でも高品質のネット環境は需要がある

――御社の自己紹介をお願いします。

 
ソク・チャンダ(以下、ソク) アンコールのデータ通信グループのメコンネットは 2006年にサービスを開始し、インターネットとデータセンターを提供するためのISP(インターネットサービスプロバイダー)ライセンスを取得しました。また、弊社はカンボジア全体へのインターネット供給のために、ベトナム国境とタイ国境にも光ファイバーを設置しています。

――カンボジアのインターネット市場の現状について教えてください。

 
ソク 各企業がそれぞれ異なった戦略を展開しています。プノンペンでのシェアが高い企業、逆に地方でのシェアが高い企業など様々です。吸収合併を繰り返し、包括的なサービスを展開するISPや、低価格で一般顧客をターゲットにしているISPもありますね。

――御社の強みを教えてください。

 
ソク 弊社は、質の高いインターネットを必要としている顧客に焦点を当てています。創業当時は他のISPや携帯電話会社を含め、業界全体をターゲットにしていましたが、現在では、市場の顧客獲得率より良いサービスを提供できる顧客の獲得に重きを置いています。多くのユーザーがいると、顧客対応に追われてサービスの質が低下する恐れがあります。また、他のIPSとのパイを巡った競争になれば、価格は低下し、低すぎる価格は品質の低下を招きます。ですので、我々は他社より顧客のニーズに向きあうようにしていますね。また、現在カンボジアでは、多少料金が上がっても快適なネット環境を必要としている顧客は多いと感じます。

 弊社ではインターネットだけでなく、IT製品、データセンターなどをITソリューションとして顧客にワンストップで提供しています。カンボジアに進出する新しい会社が弊社のサービスを利用してくだされば、インターネット環境に関する心配はなくなると思います。

顧客との良好な関係をいかに築くかが重要

――ISP間の競争において重要な経営戦略は何だったのでしょうか?

 
ソク 以前、カンボジアには数多くのISPがありました。前述の通り、弊社はワンストップサービスとそのクオリティで他社との差別化を図っています。 メコンネットの創業前は、インターネットの価格は月額2000ドル以上でした。弊社では優れた技術と、24時間365日のサポート体制をとっているので、カンボジアでの最低の価格帯ではありませんが他社との競争によりインターネットの料金を引き下げています。しかし最も重要なことは、顧客と良好な関係を築き、サービスをサポートできるかだと思います。

――企業がインターネットプロバイダを選択する際に留意すべき点は何でしょうか? 

ソク 他の国の企業にサービスを提供する際、例えば、日本企業がカンボジアとつながりたいと思っている場合、私たちは日本のパートナーと協力する必要があります。弊社では、他の国のオフィスや工場と連絡できる企業とも提携しています。カンボジアでビジネスをしようとしている海外のお客様にとっては、そのISPが信頼できるか、状況に応じて適切なインターネットサービスを提供してくれるかなどに留意する必要があります。

データセンターなどのBtoBサービスは徐々に普及している

――御社はデータセンターやクラウドサービスも提供していますが、今後のBtoBインターネット事業は大きな需要が見込めるのでしょうか?

 
ソク 近隣のアジア諸国では、データセンターやクラウドサービスはかなり広く普及しています。しかし、カンボジアでは、これまで各社が独自のサーバーを所有していたため、そのデータをデータセンターに移行することは非常に困難です。現在では、データセンター事業に注力しているISPはいくつかありますが、他の国に比べるとまだまだ大きな需要とは言えないでしょう。ソフトウェアやシステムが普及していくにつれて、今後、徐々にBtoBインターネット事業の需要も増加していくと思います。また弊社では、従来の共用サーバーより低コストなVPS(仮想プライベートサーバー)にも注力しています。

新たな技術をカンボジアに適応するよう変える必要がある

――今後の事業展開について教えてください。

ソク メコンネットは顧客のニーズに合わせて引き続きビジネスを拡大していきます。現在は、地方や国境での地下ケーブルによるインターネット回線を検討しています。政府は都市部での地下ケーブルへの移行も呼びかけていますが、建物、アパート、ショッピングセンターなどの障害物を考慮する必要があるため、ネットワークの再建には時間がかかるでしょう。

 弊社は現在、16の地域にインターネットを供給し、VPM、データセンター、また地方の企業とのビデオ会議が可能なサービスなども展開しています。また、独自のSMSシステムを開発し、社内スタッフや顧客に情報を伝達したり広告に利用したりしています。

 さらに、新しい技術の導入も検討していますが、すべての新技術がカンボジアに浸透するというわけではありません。例えば約10年前、有線ケーブルやDSLの代わりにワイヤレスなブロードバンドアクセスを可能にするWIMAXという技術がカンボジアに導入されました。それはオフィス、自宅、車内でも使用でき、とても良い製品だと思われましたが、カンボジアでは浸透せず、数年後には、各企業が撤退してしまいました。このように、私たちは新技術がカンボジアに適応するかを判断し、必要に応じて変えなければいけません。

 
――カンボジアの通信業界の将来について教えてください。

 
ソク カンボジアはインターネットの分野で急速な成長を遂げています。以前は50社以上あったISP企業が、今では合併などにより少なくなっています。この市場においては、顧客にとって良いサービスと価格を提供し、新たなサービスを開拓し続けなければいけません。現在、インターネットはリーズナブルな価格になり、より多くの学校、オフィス、職場で利用することができるようになりました。私はより多くのカンボジア人がインターネットを楽しんでそこから学習し、また、インターネットを通じてビジネスができることを願っています。(取材日:2017年10月)







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