新潟県18年度予算案1.2%減 医療・産業に重点 – 日本経済新聞

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 新潟県は14日、2018年度の予算案を発表した。一般会計の総額は1兆2392億円で、前年度当初に比べて1.2%減となる。最重要課題である人口減少問題の対応に向けて、医療体制の充実や産業振興といった対策を幅広く打ち出した。減額の中でも重点政策に予算を配分し、年間で2万人近い規模で進む人口減のペースを抑制する。

記者会見で18年度予算案を説明する新潟県の米山隆一知事(14日、新潟市)

 16年10月に就任した米山隆一知事が初めて全ての過程に加わる予算編成となった。米山知事は「様々な制約がある中で、満足できる予算を作ることができた」と語った。新潟市に教職員給与の負担を移したことが減額の主因だが、移管分を除いた実質ベースでも0.4%の減少となった。

 少子化対策として出産や結婚、子育ての環境を充実させる。NPOと市町村が連携した子育て支援の促進に1679万円を計上した。さらに1457万円を投じて医療介助が必要な「医療的ケア児」の保育所などへの受け入れを促す。

 医療体制の整備にも注力する。病院の再編などによる地域の中核病院の整備支援に向け、5億1856万円を盛り込んだ。医療分野でのビッグデータの活用に向けてデータベースの作成開始などに必要な費用として3341万円を計上した。

 産業振興でも人口減に伴う人手不足への対応を重視した。企業による生産性向上に向けた設備投資の支援事業には4億5千万円を盛り込んだ。

 外国人の人材受け入れを支援するサポートセンターを新設するほか、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTなどの活用に向けた事業も拡充した。生産性を引き上げるとともに、企業の育成と雇用の創出によるU・Iターンの促進を狙う。

 新エネルギーの拡大にも力を入れる。再生可能エネルギー関連設備の導入支援に2530万円、燃料電池車や水素ステーションの普及に7724万円を計上した。

 インフラの整備や老朽化対策など投資事業にかかる費用は全体で1%増の1906億円。17年末に起きた県道の陥没事故を踏まえ、施設の維持管理や補修を強化する。

 歳入では県税収入が67億円、普通交付税と臨時財政対策債を合わせた費用が前年度から15億円減った。

 財政調整に用いる繰入金を96億円と前年度より6割多く切り崩して対応する。予算案は19日開会予定の県議会の2月定例会に提出する。

 ●基金残高400億円割れ

 新潟県の財政運営は厳しさを増している。財政調整のための県の基金残高は16年度に9年ぶりに前年度との比較で減少に転じた。今回の予算案編成の段階では392億円となり、過去初めて400億円を下回った。少子高齢化に伴う社会保障費など歳出の増加は今後も見込まれる。「今から真剣に対応をしないと、財源が枯渇してしまう」(米山知事)のが現状だ。

 県が人口減対策を重視するのは、少子化に歯止めをかけなければ税収が減り、一層難しい財政運営を迫られるためだ。

 予算編成にあたり県は5年ほどの長期にわたり続いている事業や効果が見込めない200の事業を見直した。職員の定員や出資法人への派遣職員を減らし、14億円の経費を縮減するとした。

 高齢化時代の財政運営は各地域共通の課題だが、人口減少の解決に向けた特効薬はない。若者の県外流出や出生数の減少について根本的な要因を考えて、対策を打つ必要がある。(松添亮甫)






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