ARの娯楽施設を常設へ プレースホルダが6億円調達 – 日本経済新聞

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 拡張現実(AR)の技術などを使った体験型アトラクションを企画・開発するプレースホルダ(東京・品川、後藤貴史社長)は15日、TBSホールディングス(HD)などを引受先とする第三者割当増資で6億円を調達したと発表した。資金は自社のアトラクションを採り入れた娯楽(アミューズメント)施設を増やしたり、常設化したりするのに使う。TBSテレビの映像を活用したアトラクションの企画・開発にも取り組む。

AR技術を使うことでインクが出ないスプレーでも絵が描ける(東京都立川市にあるプレースホルダの期間限定のアミューズメント施設)

AR技術を活用したプレースホルダの砂場アトラクション(東京都立川市)

 プレースホルダは2016年9月の設立。実際にはインクが出ないにもかかわらず、AR技術を使うことでスプレーで絵を描けるアトラクションや、砂場にAR技術を採り入れて海や山を再現するアトラクションを企画・開発している。

 17年10月には東京都立川市にある大規模商業施設で期間限定のアミューズメント施設(入場料は30分700円から)を開設した。18年1月31日に閉鎖する予定だったが、2月25日まで延長している。7月には米国ハワイでも期間限定で施設をオープンさせ、主に日本からの旅行者の利用を見込んでいる。

 プレースホルダはこうした施設を国内外で増やしていく計画を練っており、調達した資金はそれに充てる。これまでの施設は期間限定だったが、常設にすることも検討している。

 増資を引き受けたのはTBSHDのほか、みずほキャピタル(東京・千代田)と独立系ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンド(東京・港)。出資額と比率は明らかにしていないが、TBSHDは創業者の後藤社長に次ぐ第2位株主になった。プレースホルダはTBSHDの関連会社となる。

 TBSHDは不動産事業を主な収益源の1つにしており、本社がある東京・赤坂にちなんで「赤坂不動産」とも呼ばれている。それだけにとどまらず、大企業がスタートアップ企業に投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の投資巧者としても知られる。13年には次世代の事業を探る目的でTBSイノベーション・パートナーズ(IP)を設立した。これまでの投資先のうち、アイリッジとデータセクション、マネーフォワードが株式を上場した。

 TBSIPで投資業務を担当する片岡正光氏はスタートアップの世界で広く名が知られている。同社ではヤフー出身の技術に明るい人材も活躍している。TBSHDはCVCの鉄則である「窓口となる担当者を固定させ、上層部もバックアップする」をグループで徹底している。

 今回のプレースホルダへの投資は、大企業のオープンイノベーションにとっても1つの節目になる。TBSIPの活動はTBSグループとスタートアップとの距離を縮め、グループ各社の従業員の意識も変えた。スタートアップが大企業に対して抱いている「鈍牛」のイメージを変える一助にもなった。こうした地ならしがあって、今回のTBSHDの出資がある。

 先行例はKDDIだ。東京・渋谷を拠点にスタートアップと新事業創造を続けながら、CVCとしての出資も拡大させてきた。17年にはKDDI本体がソラコム(東京・世田谷)を買収、スタートアップ発の事業の拡大に挑む。かけ声倒れに終わらないオープンイノベーションの事例が増えれば、産業全体の活性化にもつながる。

(企業報道部 小河愛実、加藤貴行)






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