「世界都市比較」ビッグ7に東京。京都・大阪・名古屋、福岡も注目都市に – 健美家株式会社

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総合不動産サービス大手のJLLが、最新の都市比較インデックスレポート「世界都市の10類型未来都市創生への道程」を発表した。

よりグローバルな視点での都市間競争が激化するなか、都市生活のあらゆる側面についてスコアリング、ベンチマーク分析、そしてランキング化する「都市比較インデックス」は、今や世界中に300 以上も存在するという。

レポートでは、これらのインデックスを元に、各都市の成長過程、課題、命題、機会を観測し、新たに4つのカテゴリーと10種類の都市グループを特定。急速に変化する都市の在り方に対して不動産業界がいかに反応すべきか、という選択・判断の一助となる情報を提供している。

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  • 「確立された世界都市」の「ビッグ7」に東京

「確立された世界都市」としてカテゴライズされたのは、世界最高のグローバル都市として認定された「ビッグ7」と、それらの都市に肉薄している「挑戦者たち」たる10 都市だ。

「ビッグ7」に数えられるのは、ロンドン、ニューヨーク、パリ、シンガポール、東京、香港に、2013年以降はソウルを加えた7都市。

世界の商業用不動産への投資額の1/4近くを占めるこのグループは、流動性の高い不動産市場と独自のソフトパワー(惹き付ける力)により、多国籍企業やクロスボーダー投資家が最初に注目する都市。一方で継続的な成長維持が大きな課題となっている。

「挑戦者たち」は、直近の市況サイクルで不動産投資が最も急速に増加した都市グループで、ロサンゼルス、上海、北京、アムステルダム、シカゴ、サンフランシスコ、トロント、マドリード、シドニー、ワシントンDCの10都市。

国内の経済圏と海外の経済圏へのゲートウェイとしての接続性、効果的な都市規模と市場の大きさ、世界資本からの信頼度、潤沢な人材、多数の都市における多様な産業など上位都市が持つ都市的資産を拡大している。

ちなみに、東京は過去10 年間スコアを下げていたが、直近では、2020 年の夏季オリンピックをにらみ、大掛かりなインフラ整備が計画されていることもあり、スコアを回復しているという。

「しかし、ビッグ7に迫る勢いで成長している世界都市群があり、現在のプレゼンスを維持向上する努力・戦略が必要」とJLL日本リサーチ事業部長の赤城氏は述べている。

  • 「新たな世界都市」の「インフルエンサー」に京都

「確立された世界都市」ほどの規模はないものの、都市運営の行き届いた中規模都市で、不動産投資や企業、人材の誘致で敏捷性に優れており、インフラ、生活の質の高さとニッチな専門性を提供しうるのが「新たな世界都市」だ。

「新たな世界都市は」イノベーションや起業家精神を育む科学や技術、ビジネス風土について世界トップクラスの能力を有する「イノベーター」、生活の質の高さと都市の国際的な魅力が最も強力なブランド力となっている「ライフスタイルシティ」、多国籍機関や観光事業、交易機能の場を提供し、世界的・地域的な影響力を有している「インフルエンサー」の3つのグループ分けされている。

このなかで、「インフルエンサー」のグループに日本国内から選ばれたのが京都だ。

「京都は、中規模都市でありながら、文化的な背景や、豊富な観光資源、アカデミックセンターとしての機能などがそろい、世界的なプレゼンスは大阪や名古屋より強いものがあります。

同じグループのブリュッセルやジュネーブと同様に、中立的な国際機関の誘致や国際会議の開催などを含め、政府間や法律・貿易関連の国際的な意思決定の調整や促進に関わる役割も、今後さらに期待される都市と言えるかもしれません」(赤城氏)。

  • 拡大する国内需要にこたえて急成長を遂げる「新興世界都市」

「新興世界都市」としてカテゴライズされたのは、目覚ましい成長を続ける新興国の経済・政治の中心地で、拡大する国内の需要と消費に応えることで急速に成長し、国際的な貿易と資本のゲートウェイの役割も果たしている都市群だ。

「メガハブ」は、新興国の主要ゲートウェイであるとともに意思決定の中心地であり、ビジネスや金融サービスに特化した都市。

「エンタープライザー」は、サービス業に特化していることが多く、国内経済においては最大規模の都市。

「パワーハウス」は、主に中国都市で構成されており、国家の支援を享受しつつ、世界的な製造業およびバリューチェーンに組み込まれている。

不動産投資の受け入れ地としての実力や産業の集積度など、それぞれ課題もまだまだ多いが、「エンタープライザー」のように、不動産投資家の誘致に成功しているグループもあるので、今後の動きに注意が必要なグループとも言えそうだ。

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  • 世界都市への成長過程にある「ハイブリッド」と「国内成長エンジン」

そして、「新たな世界都市」や「新興世界都市」にも属さない、世界都市規模の都市カテゴリーとして位置づけられたのが、「ハイブリット」と「国内成長エンジン」の2つのグループだ。

「ハイブリッド」は、最近の市況サイクルでは商業用不動産のストック量を拡大させているグループ。

「新興世界都市」と「新たな世界都市」の両方の性質を併せ持つ中規模都市で、同等の競合都市よりも生活しやすさの点で優れている。

「国内成長エンジン」は、不動産投資額においても世界の上位にランクされる都市グループ。

安定的な先進国にみられる都市郡で、大規模な国内市場へのアクセスの恩恵を受け、安定した需要があり、競合相手が比較的少ないのが特徴。都市クオリティ、企業や交易セクターをさらに強化して新しいモデルへのシフトに成功すれば、徐々に「新たな世界都市」へと成長する可能性がある都市群だ。

この「国内成長エンジン」に分類されたのが、大阪と名古屋の2都市だ。

「大阪・名古屋共に、関西圏、中京圏の中心であり、ハブ的な役割を果たしています。特に大阪は、規模としては『確立された世界都市』の『挑戦者たち』に加わるべき都市。

ただ、国内での高い位置づけの割には、現状では国際的な多国籍企業などの誘致に弱く、そこが今後の課題と言えそうです。名古屋に関しても、規模は大阪には及ばないものの、『新たなる世界都市』へと発展しうる規模を持つ商圏であることは間違いありません」(赤城氏)。今後のさらなる成長にも期待したい。

  • 今後の動向が注目される国内都市は、福岡・札幌・広島

「中核都市の成長が期待される日本では、グローバルの資本・企業・人材を魅了する取組がさらに重要となっているものと考えられます」という赤城氏。今回の都市分類のなかでは登場しなかったものの、日本国内には、ほかにも今後の動向に注目したい都市もいくつかある。

「今回登場した国内の各都市に次いで、最も注目される都市は福岡です。九州圏の中心であり、九州新幹線の整備もあって、都市規模としては『新たなる世界都市』レベル。

また、福岡で起業を考えている外国人にビザ発給の緩和策を行うなど、海外とのコネクティビティ向上に力を入れているところも注目すべきポイントでしょう」。

次いで札幌。さらに、仙台や広島を加えた地方の中核都市が続く。なかでも、「平和都市として世界的にも知名度の高い広島は、京都に近い立ち位置の都市です。観光資源が豊富で、『平和』というキーワードで国際的な影響力もある。こうした、都市の『専門性』をうまく活かしていければ、広島も『新たな世界都市』の一角に名を連ねるときが来るかもしれませんね」。

「不動産や投資事情も含め、東京への一極集中が続いていた時代から、ここ2〜3年の間に、『地方へ』という動きが加速しています」という赤城氏。オフィス進出や投資の受け皿として、検討に値する都市はどこなのか。今後も「都市間比較」の重要性は、ますます増していくことになりそうだ。

健美家編集部







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